2005年12月9日(金)「しんぶん赤旗」
イラク撤兵 決断せよ
再延長に道理なし
党首会談 志位委員長が主張
小泉・自公政権は八日の臨時閣議で、イラク特措法に基づく基本計画を変更し、イラクへの自衛隊派兵を来年十二月十四日まで一年間延長することを決定しました。これに先立ち小泉純一郎首相と日本共産党、民主党、社民党の野党三党の党首らが会談。日本共産党の志位和夫委員長は会談で、派兵延長には「まったく道理がない」と述べ、自衛隊のすみやかな撤退を強く求めました。会談には日本共産党の市田忠義書記局長も同席しました。
■政府が1年延長決定
会談で志位氏は、(1)イラク情勢の深刻な悪化の根源は、米軍が無法な侵略戦争に続く軍事占領で抵抗する勢力への武力弾圧を繰り返していることにあり、こうした米軍を支援するための自衛隊派兵の継続はイラク情勢の前向きの打開にとって有害無益である、(2)自衛隊宿営地を狙った攻撃が十一回に及ぶなど「非戦闘地域に限る」という政府の言い分はいよいよ成り立たなくなっており、「人道復興支援」という言い分も陸上自衛隊のサマワでの給水活動が二月に終わるなど成り立たなくなっている―と指摘しました。
その上で志位氏は、四つの点について首相にただしました。
第一は、自衛隊派兵の「一年間延長」は一年たてば駐留を終わらせるということなのかという点です。
首相は「今の段階でいつ撤退か、(さらに)再延長するかは言えない」と回答。志位氏が「一年後にまた延長することもあり得るのか」とただすと、首相は「理論的にはその可能性はある」と述べました。
第二は、来年五月にサマワの治安を担当する英豪軍が撤退すれば陸上自衛隊も撤退するのかという点です。
首相は「英豪軍が撤退するとは聞いていない」「その時に判断する」と述べるにとどまりました。
第三は、陸上自衛隊の活動を現在のサマワ以外にも拡大することがあり得るのか、第四は、航空自衛隊の活動地域も広がることはないのかという点です。
首相は陸上自衛隊の活動地域の拡大について「検討の対象だ。アメリカと協議して検討する」と表明。航空自衛隊の活動地域拡大についても「検討していきたい」「アメリカとの協力体制をとりながら検討したい」と述べました。
志位氏は「(首相には)いっさいの“出口戦略”がない。場合によっては一年後の再延長もあり得るという。英豪軍が仮に撤退した場合でも『その時に検討する』という責任のない対応しかない。陸上自衛隊や航空自衛隊の任務の拡大も否定しない。これではアメリカに言われるままどこまでもついていくということになる。こういうやり方は抜本的に再検討すべきだ」と強く求めました。