2005年12月8日(木)「しんぶん赤旗」
“中国・韓国だけがアジアでない”
外相、靖国参拝を正当化
外国特派員協会
麻生太郎外相は七日、東京都内の外国特派員協会で講演し、靖国神社の首相参拝を正当化するとともに、中国、韓国が反発していることについて「中国、韓国だけがアジアではない」などと開き直りました。
麻生外相は、“私の見る日本のアジア戦略”と題した講演で日本は「(アジア地域の)安定装置」であるなどと強調しました。
「小泉首相は中国や韓国の外相と会うこともできず、アジア諸国から信頼もないのにどうやってリーダーや安定装置になれるのか」との辛らつな質問が出ました。麻生外相は「中国と韓国だけがアジアではないと思う。北東アジア以外にも日本の周りには東南アジアや南西アジアに多くの国があるのも事実だ。それらの国との関係は極めて友好だ」などと答えました。
これには米国のニューヨーク・タイムズ紙の特派員が「小泉首相の靖国神社参拝では中国や韓国だけではなく、アメリカやロシアも怒らせている」と質問。麻生外相は、「歴史認識を一緒にするのは極めて難しい」とし、「アメリカでもディープサウス(深南部)の教科書は南北戦争を“北部の侵略”と教えている。これはアラバマ州の女性が言っていた。同じ国でさえ歴史認識は難しい」とのべました。
同特派員は講演後、「(麻生外相の答えに)憤慨した。国の歴史を語るときは全国の主流の歴史観を語るべきだ。アラバマ州の例を単純化して語ることにとても驚いた」と感想を語りました。
麻生外相はまた、首相の靖国参拝について質問に答えて「国家のために尊い命を投げ出した人を国家が最高の栄誉をもってまつることを禁止している国はない」と正当化しました。