2005年12月7日(水)「しんぶん赤旗」

CIA“空港無断利用やむなし”

米国務長官が正当化


 【ワシントン=山崎伸治】ライス米国務長官は五日、米中央情報局(CIA)が欧州諸国に伝えないまま各国の空港を使って「テロ容疑者」を移送し、拷問していたとされる問題について声明を発表しました。そうした措置は「対テロ戦争」のためにはやむをえないとし、「米国は憲法や法律、条約を守っている」と開き直りながら、「対テロ戦争」で米国に協力するよう迫りました。

 ライス氏はこの問題で欧州連合や各国政府から質問を受けており、それに答えたいと表明。「国民保護は政府第一の責務」であり、「時としてそれが誤解されることもある」と言い訳しました。

 テロリストの拘束・移送は従来からも行われてきた「引き渡し」措置だと主張。「米国は各国の主権を尊重し、拘束した人物を拷問するために移送したりはしない」とのべ、「取り調べは米国内法と条約にもとづいておこなわれ、拷問はおこなっていない」と改めて強調しました。

 さらに「対テロ戦争には、従来の規範やかつての紛争の前例はあてはまらない」と指摘。「情報や捜査、軍事対応などで米国に協力している国もある」として、「テロリストが自分の国を攻撃するのを防止するため、米国に協力するかどうかはそれぞれの政府と国民が決めることだ」と強弁しました。

 ライス氏は声明を、欧州四カ国歴訪に出発する直前、アンドルー空軍基地で発表。歴訪にあたってこの問題が懸念材料になっていることを示しています。


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