2005年12月6日(火)「しんぶん赤旗」

イラク派兵 8日に再延長狙う

サマワは治安悪化

首相、「安全確保」を指示


 小泉内閣は、自衛隊のイラク派兵の期限が十四日に切れることから、八日にも臨時閣議を開き、一年間の派兵延長を決めようとしています。政府は「治安は安定」と強調していますが、陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワでは四日、陸自の車両がデモ隊から投石を受け、イラク人警護員の自動小銃が強奪されかかった事態も明らかになり、治安情勢はいっそう不安定になっています。


 小泉純一郎首相は五日、首相官邸で、サマワを三日に視察した額賀福志郎防衛庁長官と会い、報告を受けました。

 報告の中で額賀長官はサマワの情勢について「総じて治安は安定している」と説明。首相は「今後もしっかり安全を確保して、引き続き復興支援活動を続けられるよう頑張ってほしい。その環境づくりに注意を払ってほしい」と述べ、派兵延長を図る考えを示しました。

 しかし、額賀長官のサマワ滞在時間はわずか四時間四十分。額賀長官自身が投石事件について「(同種の事件は)初めてではなく、何回かあった」(四日の記者会見)と述べたように、サマワの治安情勢は「安定」しているとは到底言えない状態です。

 政府は、来年半ばに陸自のサマワ撤退を視野に入れています。一方で「イラク警察が治安を維持できるようになることが大事だ。警察による治安の確立がきっちりした段階で(自衛隊は)撤退ということになる」(麻生太郎外相、二日)との議論も出ています。

 「イラク警察による治安の確立」というのは、イラク派兵の目的にはもともとなかったもの。しかもこの議論では、治安が確立するまで自衛隊は駐留し続けるということになります。


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