2005年12月4日(日)「しんぶん赤旗」

G・ワシントン配備

原子力空母 横須賀に

米海軍発表


 【ワシントン=山崎伸治】米海軍は二日、神奈川県の横須賀基地を母港とし、二〇〇八年に退役する通常型空母キティホークの後継に、ニミッツ級原子力空母ジョージ・ワシントンを配備すると正式発表しました。日本への初の原子力空母配備計画となります。

 海軍は発表で、ジョージ・ワシントンの横須賀配備について「前進配備の海軍部隊に配属した古い艦船を、より新しく能力のある艦船に代えるもの」であり、「西太平洋における予想のつかない安全保障環境を考慮」したものだと指摘。また、空母が交代しても、艦載機部隊(第五空母航空団)の前進配備とその構成には変化はないと説明しています。

 ジョージ・ワシントンは一九九二年七月に就役。艦載機は八十機以上。これまで地中海、ペルシャ湾に出撃し、イラク戦争にも参加しています。現在、バージニア州ノーフォークを母港とし、横須賀への前進配備に備えて整備中です。

 原子炉二基を搭載。排水量約九七、〇〇〇トン、全長三百三十二・八五メートルで、いずれもキティホークを上回ります。在日米海軍のケリー司令官は、ニミッツ級原子力空母について「通常型空母よりもはるかに能力が高い」「通常型空母の少なくとも2倍の期間、危機対処・戦闘作戦にあたることができる」と述べています(「朝日」十一月十二日付)。

 原子力空母の横須賀配備を許せば、世界で唯一の米空母の海外母港という異常な事態が半永久的に固定化され、地球的規模での“殴り込み”戦争の根拠地としていっそう強化されることになります。

 ▼原子力空母ジョージ・ワシントン 二基の原子炉が燃やす核燃料を動力として航行する空母。熱出力は、日本国内で稼働している原発の原子炉一基分(約百万キロワット)に匹敵します。横須賀寄港中に事故を起こした場合、半径数十キロで放射能汚染の危険があるとみられています。

 通常型空母のように燃料を貯蔵する必要がないため、艦載機のための燃料搭載量が二倍以上に増え、艦載機が使用する兵器の貯蔵スペースも広くなっています。初代米大統領の名にちなんで命名されました。


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