2005年12月4日(日)「しんぶん赤旗」
患者負担増に反対
日医など医療団体が決議
日本医師会など三十八団体でつくる国民医療推進協議会は三日、東京・日比谷公会堂で「国民皆保険制度を守る国民集会」(東京都医師会などと共催)を開催、高齢者の負担増や、高額医療・人工透析の患者負担増、入院の食費・病床代の自費化などに反対する決議を採択しました。政府・与党の「医療制度改革大綱」に反対する内容です。
集会には医療関係者ら約二千人が参加。あいさつした植松治雄同協議会会長(日医会長)は、政府・与党の医療制度改革を「医療費削減が主目的、医療を市場原理で動かそうとするもの」と非難。高齢者の負担増について「長生きが申し訳ないという声が聞かれる社会にしてはならない」と厳しく批判しました。
同会長は、保険証一枚で国民が等しく医療を受けられる国民皆保険制度を「世界に誇る文化遺産」とし「どんなことをしても守らねばならない」と訴えました。患者負担増などに反対する同協議会の署名が一千万人分を超えたと報告しました。
日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、東京都医師会の代表らが意見表明。全国腎臓病協議会の油井清治会長は「腎臓病患者は透析ができなくなれば死を待つしかない。負担増を強いていいのか」と切々と訴え、透析患者の自己負担限度額の引き上げを盛った「大綱」を批判しました。