2005年12月2日(金)「しんぶん赤旗」

“靖国は軍国主義宣伝の大本営”

中国紙が麻生発言批判


 【北京=菊池敏也】中国共産党機関紙・人民日報(海外版)は、一面で「麻生太郎は中日関係に氷水を浴びせた」と題した論評を掲載、靖国神社参拝をめぐる麻生外相の発言を批判しました。

 論評は、麻生氏が外相就任以来、靖国神社の遊就館の展示について「戦争を美化せず事実を展示している」とか、「(参拝を問題にするのは)中国と韓国だけ」などと述べていることをあげ、靖国神社と遊就館がどのような場所であるかを詳しく紹介、「靖国神社は一貫して軍国主義を広く宣伝する大本営だ」と告発しています。

 論評は、麻生外相が靖国参拝を弁護し遊就館を美化することは、「日本が引き起こした侵略戦争の重大な犯罪行為に対して、ごくわずかの反省の意も示さないことを物語るものだ」「こんな人物が外相になって、日中、日韓関係の改善に貢献することを期待できるだろうか」と批判しています。

 論評は、近年「小泉氏らは改革を主張して有権者の支持を得たことを頼みに、戦後の日本政治を『清算』し、歴史の歯車を逆転させ、一日も早くアジアと世界に強権的能力を実行する政治大国にしようとしている」と分析。小泉首相が麻生氏のようなタカ派の人物を政府の要職に配した真の意図は、「靖国参拝を習慣化し、彼の誤った歴史観と右翼的政策の後継者をつくることだ」と結論づけています。

 新華社が発行する参考消息紙も一日付で「靖国神社遊就館の真相調査」と題した見開き特集を掲載。麻生外相が遊就館について「事実を展示しているだけ」と正当化したことに対して、遊就館がどのように侵略戦争を美化しているかを、同館の展示内容に即して紹介し、反論を加えています。


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