2005年12月1日(木)「しんぶん赤旗」
米独外相会談
CIA収容所 議題に
疑問に「回答」とライス氏
【ワシントン=山崎伸治】ライス米国務長官は二十九日、ワシントンの国務省でドイツのシュタインマイヤー新外相と四十数分にわたって会談しましたが、両外相による共同記者会見は行われませんでした。
国務省のマコーマック報道官は定例会見で、会談では米中央情報局(CIA)が秘密収容所をルーマニア、ポーランドに配置し、欧州諸国に知らせずに各国の空港を使って「テロ容疑者」を移送していた問題も議論されたことを明らかにしました。
米政府はこの問題が二日付の米紙ワシントン・ポストで報じられて以来、「諜報(ちょうほう)活動にかかわりかねない問題にふれる」(ハドリー大統領補佐官)として「ノーコメント」を繰り返してきましたが、国際的に批判が高まる中で、認めざるを得なくなりました。
同報道官は「米国は、こうした問題に欧州の人々だけでなく議会でも関心が高まっており、対応が必要であると理解している」と表明。ライス氏が会談で「米国の活動は米国の法と憲法を順守し、国際的な責務を順守している」と説明したことを紹介。欧州連合議長国(英国)の説明要請にはライス氏が「回答する」と表明したことを明らかにしました。
さらに「この問題は対テロ戦争をたたかうというより幅広い文脈で取り上げられた」として、「われわれが一緒にやろうとしていることは、(テロという)共通の敵とたたかうということだ。彼らはわれわれが共有する生活様式や自由を攻撃しようとしている」と強調。この問題でドイツ側から「苦情」はなく、「緊密な同盟国の外相による議論だった」としています。
ライス氏は十二月五日からドイツなど欧州四カ国を歴訪しますが、同報道官は、「歴訪中にこの問題がまた取り上げられれば答える」と述べました。
このほか会談では、イランの核開発問題や米欧関係、米独関係について話し合われました。