2005年11月29日(火)「しんぶん赤旗」

元右翼と二人三脚

逮捕の西村真議員

尖閣諸島上陸や核武装論

過激タカ派の言動


 現職国会議員が、元右翼に弁護士名義を貸して違法報酬を受け取る――。前代未聞の容疑で逮捕された民主党衆院議員の西村真悟容疑者(57)。尖閣諸島への上陸や「征伐隊」事件の首謀者との関係など、過去に右翼的な行動がたびたび問題になった国会議員が、元右翼と提携した違法行為でついに逮捕されました。


 西村容疑者が名義を貸したのは、過去に右翼団体「大日本皇誠社」のメンバーだった鈴木浩治容疑者(52)。西村容疑者は、この人物に弁護士としての名義を使わせ、弁護士印などを利用させていました。報酬も折半するという“二人三脚”ぶりで違法な収益を得ていた疑いが持たれています。

 西村容疑者は、外務省幹部宅に発火物を仕掛けたり、広島県教組事務所などを銃撃した「征伐隊」「建国義勇軍」事件の首謀者と親密で、この首謀者が会長を務める「刀剣友の会」の最高顧問を務めていました。同会会長らは、中国を「朝敵」と呼び、「国賊外務省」「北朝鮮や日教組は許せなかった」「国賊は、さっさと死んで消えてなくなれ」などとしてテロ犯罪に及びました。西村容疑者はこの会長らに「思想信条で共鳴」していたなどとのべていました。

 同会の会報で西村容疑者は、選挙支援に感謝。「会長はじめ会員各位には、同志としてともに国家再建のために戦っていただくことをお願いして、あいさつをしめくくる。日本万歳! 大和魂万歳! 日本刀万歳!」などとのべていました。首謀者が経営する企業から二百十万円の政治献金を受けていたことも判明しました。

 一九九七年、当時新進党の衆院議員だった西村容疑者は、石原慎太郎・現東京都知事らとともに、中国や台湾などが領有権を主張する尖閣諸島に行き、魚釣島に国会議員として初上陸。中国をはじめ国際的に強く批判されたほか、当時の梶山静六官房長官も「土地の所有者が上陸を認めてなく、(上陸は)違法」とのべました。

 自由党衆院議員で防衛政務次官を務めていた九九年には、週刊誌の対談で「日本も核武装をした方がいいかもしれない」と発言し、同年十月に政務次官を辞任しました。

 西村容疑者は、故・西村栄一民社党第二代委員長を父に持つ二世議員。「民族主義者」を自認、「国軍の創設」をライフワークとし、「国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す」「大東亜共栄圏、八紘一宇を地球に広げる」などの超右翼的言動が目立ちました。北朝鮮の拉致問題について拉致議連の幹事長も務めていました。


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