2005年11月29日(火)「しんぶん赤旗」

サッカーくじ

100億―300億円投資へ

直営方式導入で借金拡大 


 約二百三十億円の債務をかかえる、サッカーくじ(トト=toto)の運営主体、独立行政法人日本スポーツ振興センターが、来年四月にスタートする「直営方式」のため、百億から三百億円規模の新たな設備投資を行うことが、本紙の取材でわかりました。現在の債務に加え、借金を重ねることで、破たんの懸念とともに、「そのツケが国民に回される心配がある」との声が出ています。

 同センターは昨年末、業務委託先のりそな銀行との契約を今年度で打ち切り、センター「直営」とすることを決定。このため発券作業にかかわるコンピューターシステムの再構築などを迫られ、新たに契約した日本ユニシスと再開発を行ってきました。同センターはその額について「(億の)三ケタ以上だが、前回(三百五十億円)より低い額」とし、「七年での返済を目指す」としています。

 しかし、トトの売り上げは、一年目が六百四十三億円で当初目標にしていた二千億円の三分の一以下。四年目の昨年は目標の一割にも満たない百五十七億円で、今年度はさらに下回る見込みです。そのためにここ二年ほど、売り上げからスポーツ振興費が出せない事態に陥っています。

 また、今年度で完済予定だった三百五十億円のりそな銀行への債務も、二年目から返済が滞り、いまだに二百三十億円が残っています。センターは「現在、債務の扱いについて銀行側と協議している」としています。

 こうした状況下での安易な設備投資は、借金に借金を重ねるだけの結果になりかねません。同センターは、政府が100%出資する独立行政法人のため、返済できない場合は税金での穴埋めなど国民にツケが回されることが必至となります。

 サッカーくじは一九九八年に成立。今月で法律に定められた「七年目の見直し」の時期を迎えています。先の見通しのない投資や現在の経営状況が、改めて国会などで問題視されそうです。

 日本共産党は国会での審議を含め、導入前からサッカーくじにたいして反対してきましたが、自民党は賛成、現在の公明党、民主党、社民党は政党として一貫した態度は示せませんでした。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp