2005年11月27日(日)「しんぶん赤旗」
小惑星の岩石採取に成功
07年6月帰還へ
「はやぶさ」史上初めて
日本の探査機「はやぶさ」が二十六日、小惑星イトカワに着陸し、表面の岩石破片を採取することに成功したとみられます。順調にいけば、はやぶさは、十二月にイトカワを離れ、二〇〇七年六月に地球へ帰還する予定。小惑星からの試料採取は史上初。地球以外の天体の試料を地球に持ち帰るのは、月の石いらいの快挙となります。
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、はやぶさは二十六日午前七時ころ、高度約十四メートル付近で着陸体勢に入り、一回目の着陸時に投下した「ターゲットマーカー」とよばれる輝く球を目印にして秒速十センチメートルほどで午前七時七分に着陸しました。
試料採取は、はやぶさがイトカワに着地した瞬間に、金属球を二発発射し、表面から飛散した破片を回収する方法で行われました。
JAXAによると、装置は計画通り作動し、「試料採取に成功したと確信している」としています。採取量は数百ミリグラムとみられています。
着地は約一秒間。その後、はやぶさはエンジンを噴射して上空へ上昇しました。
試料の入った箱は、はやぶさが地球に帰還した後、オーストラリアの砂漠に落とされ、回収されます。
はやぶさ計画責任者の川口淳一郎JAXA教授は会見で、「チームの創意工夫が功を奏した。計画の大きなヤマを越えられてうれしい」と話しました。