2005年11月26日(土)「しんぶん赤旗」

高齢事業主ねらう高額電話機リース

“わたしもだまされた”

本紙報道に反響 解約に成功した例も


 「わたしもだまされた。何とかしたい」――。高額電話機リースをめぐるトラブルを取り上げた十一日付本紙の「こちら社会部。」に、全国からこんな反響が寄せられています。どうすれば被害を防げるのか。解決のためにはどうするのか、考えてみました。(阿曽 隆)


 愛媛県の七十九歳の男性から窮状を切々とつづったこんな手紙が届きました。

 ――「この電話機に換えれば毎月の支払いが安くなる」といわれて、総額四十二万円を七年リースで契約しました。だまされたと思いながらいままで三年間支払ってきました。いま、高齢で商売が続けられなくなり、無収入になって毎月のリース料金を払うのも困難に。何も救済策はないのでしょうか。

 他にも寄せられている被害例はほとんどが高齢者です。

■納得いくまで

 「電話代が安くなる」「いまの電話機はデジタル化で使えなくなる」。虚偽を交えた巧みなセールストークで契約させるのが特徴です。軽い気持ちで契約して、リースの支払いが始まってから、「おかしい」とやっと気づく例も少なくありません。納得いくまで疑問点をよく確かめ、セールストークと契約書の内容に違いがないかというチェックも大切です。

 解約に成功した例も寄せられました。

 東京都内のビル経営者、松浦豊さん(71)=仮名=は昨年八月、「NTTからきた」と強調するセールスマンの訪問をうけました。

 「IP電話をつけると、通話料が五千五百円の定額で済みます。法人向けにおすすめしている」などと勧められ、月五千五百円で七年間のリース契約をしました。

■経過を詳細に

 契約した四日後に設置工事。しかし、取り付けられたのは普通の電話機。五十万円近い代物とはとても思えません。セールスマンに抗議しましたが、「納得して判を押したのだろう」と解約に応じませんでした。

 翌日、松浦さんは、警察や消費者生活センターに相談しますが、「クーリングオフ制度は個人が対象」などの対応でした。

 松浦さんは、リース会社と販売店に対し、「IP電話で安くなるという言葉を信じて契約したがIP電話ではなかった」など、契約をめぐる事実経過を詳細に文章にし、契約の取り消しを求める「内容証明付き郵便」を送付。解決することができました。

 松浦さんは、「あきらかに高齢者の法人を狙っている。税金の計算をする都合で有限会社にしているが、実質は個人と変わらない。それなのにクーリングオフが適用されないとは知らなかった。行政が対策をとらなければ被害はなくならない」と話しています。

■党に相談して

 被害者が日本共産党に相談し、党が解決のために奮闘している例もあります。

 静岡県浜松市の建具師の男性(61)は今月、名古屋市の販売会社の訪問をうけました。「デジタルにすると電話代が安くなる。いまの電話機はじきに使えなくなる」などという長時間のセールスに根負けし契約しました。月々の支払いは約七千五百円。七年のリースで総額約六十三万円です。

 しかし、すぐに後悔し、翌日解約を申し入れました。が、業者は「リースの事業者契約は解約できない。どうしてもというなら違約金を払え」と頑として応じません。

 困った男性は、知人の「しんぶん赤旗」読者を通して日本共産党の地区委員会に相談。いま、男性とともに「契約翌日の解約で実害はないはず。商品説明にも虚偽があり契約はいっさい無効」と主張して業者と交渉中です。


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