2005年11月26日(土)「しんぶん赤旗」

CIA機 秘密収容所への移送

欧州の空港を利用


 米中央情報局(CIA)の航空機が、国際テロ組織アルカイダ構成員とみなしたイスラム教徒を海外の秘密収容所に移送するため、ひそかに欧州の空港を利用していた疑惑が各国で問題になっています。二十四日、スペイン国会で取り上げられたほか、欧州連合(EU)議長国、英国のストロー外相が近く米国に説明を求めます。


■機内で拷問も?スペインなど追及

 スペインでは、二〇〇四年初めから〇五年初めにかけてCIA機が同国マジョルカ島のソンサンファン空港を経由地としていた疑惑が持ち上がっています。統一左翼(スペイン共産党など)は、疑惑の米国機と管制塔の交信記録をもとにこれがテロリストとみなした人の移送であるとし、政府に解明を求めました。

 国会審議では、テロ容疑者の収容所があるグアンタナモ米軍基地(キューバ)から飛んできた米国機があることや、秘密収容所があるとされるルーマニアを行き先にした便もあるとの飛行記録が明らかにされました。

 モラティノス外相は二十四日、下院の外交委員会で、地中海バレアレス諸島などで○四年一月から一年間計二十回の米民間機、軍用機の離着陸について、検察当局が調査したが、違法行為の証拠は見つからなかったと答弁しました。その一方、米国機の飛行についてさらに厳密に調べ、場合によっては機内に立ち入り調査すると述べました。

 この問題では、機内で拷問が行われていた疑惑も指摘されています。

 スウェーデン、アイルランドなどでも空港が同じような移送に使われたとの指摘があり、真相究明を求める声が高まっています。

 米紙ワシントン・ポストが今月初め、CIAがアルカイダとみなした人をタイ、アフガニスタン、東欧諸国の世界八カ所の秘密収容所に拘束していると報じ、人権を踏みにじる違法行為として問題になっています。米国政府はこれまでのところ秘密収容所の存在について否定も肯定も避けています。


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