2005年11月26日(土)「しんぶん赤旗」

弁護士法違反事件

居座る西村真悟議員

“今でも信じる”民主幹部


 民主党の西村真悟衆院議員(比例近畿ブロック)は、みずからの法律事務所元職員が弁護士法違反容疑で逮捕された事件で、弁護士会への退会届は提出したものの、議員辞職は否定しました。西村議員と民主党の対応が問われます。

 発覚当初、事件には無関係としていた西村議員は二十五日、弁護士資格の名義貸しを「否定しがたい」とのべ、みずからの関与を認めました。立法行為に携わるものが違法行為を認めながら、なお居座ることが許されるのか。政治的道義的責任は重大です。

 西村議員はみずからの関与を認めた以上、事件の全容を国民の前に明らかにし、きっぱりとけじめをつけるというのが筋です。

 見過ごせないのは民主党の対応です。

 元職員が逮捕された十八日、西村議員は鳩山由紀夫幹事長に電話で事情を報告。「一切かかわっておらず知らなかった」「人間として常に真実を申していくのでご信頼ください」と説明したのに対し、鳩山幹事長は「分かりました。信頼しましょう」と応じ、党として調査や対応の必要はないとの判断で済ませていました。

 前原誠司代表も二十二日、「しばらくは推移を見守りたい」との立場を表明。二十五日の会見でも鳩山幹事長は「政治家の発言は重い。信じたいという思いがいまだに生きている」とのべるにとどまり、議員辞職を求めない考えを示しているのです。

 西村議員と反社会的行為とのかかわりが問題になったのは、これが初めてではありません。

 二〇〇三年十二月、「征伐隊」を名乗り朝鮮総連関係施設や教職員組合、政治家事務所などへの銃撃事件を引き起こした「刀剣友の会」会長が逮捕されました。西村議員はこの団体の最高顧問を務め、容疑者から献金も受け取っていました。

 当時も民主党は、鉢呂吉雄総務局長が西村議員から事情聴取したにとどまり、それ以上の調査も何らかの処分も行いませんでした。同じ年に保守新党の松浪健四郎衆院議員と暴力団とのかかわりが問題になったときに民主党は同議員の辞職を要求していたにもかかわらず、自党所属議員のテロ集団との深い関係は不問に付したのです。

 今回、西村議員が、逮捕された元職員の非弁活動を容認し、名義貸しによって犯罪を助長していたとすれば重大です。党として毅然(きぜん)とした対応が求められます。(古荘智子)


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