2005年11月25日(金)「しんぶん赤旗」
拉致問題
「対話確保が最優先」
緒方議員質問に麻生外相
日本共産党の緒方靖夫議員は二十四日の参院拉致問題特別委員会で、約一年ぶりに再開された日朝政府間協議について、日本政府の姿勢をただしました。
日本政府は再開された協議で、今後、(1)拉致問題(2)核・ミサイル問題(3)国交正常化交渉―という三つの協議を並行して進めていく方法を北朝鮮側に提案しました。緒方氏は「今後、政府として拉致問題の解決を図るため、どういう立場で北朝鮮に対応していくのか」と質問。麻生太郎外相は「途切れていた対話を軌道に戻して、いわゆる拉致問題等々を取り上げる場を確保するということが優先順位の一番だ」と述べました。
緒方氏は、北朝鮮の核問題に関する第四回六カ国協議の共同声明(九月)が、日朝平壌宣言に基づく国交正常化を明記したことを指摘。「これによって拉致問題などの諸懸案を包括的に解決して国交正常化に進むという平壌宣言の方向は日本と北朝鮮の二国間の合意にとどまらず、六カ国協議の合意という国際的裏付けを得ることになった」と述べ、政府の見解をただしました。
安倍晋三官房長官は「(緒方)委員がおっしゃったように、日朝二国間の国交正常化ということを六カ国(協議)の議題に入れ込むことができた」と答えました。
さらに緒方氏は拉致問題では北朝鮮の「特殊機関」の存在が真相究明の大きな障害になっていることを指摘し、これを取り除く必要があると強調しました。
これに対し安倍長官は「〇二年の小泉総理の訪朝の際、金正日国防委員長も認めたように『特殊機関』がかかわっていたわけで、この問題を解決するには金正日委員長の決断が不可欠だ」と答弁しました。