2005年11月24日(木)「しんぶん赤旗」
広がる農林水産九条の会
呼びかけ人が懇談会 賛同者443人に
日本の農林水産業関係者が参加した農林水産「九条の会」の呼びかけ人懇談会が二十三日、東京都内で開かれました。
懇談会では同日までに農民や学者、農協関係者、農水省OBら四百四十三人が「会」に賛同していると報告されました。自民党が「新憲法草案」を発表したもとで、参加者は平和と農林水産業を危うくする政治に警鐘をならし、憲法をくらしに生かす運動をすすめることを確認しました。
同「九条の会」は、今年五月に元東京農工大学学長の梶井功さんや佐久総合病院名誉総長の若月俊一さんなど十七氏が呼びかけてきました。
懇談会には八人が参加しました。
懇談会の後、記者会見した参加者は、「上層農家に助成をしぼった農政改革は食料自給率を下げ、“弱肉強食”の政治につながる。農政の方向と九条改悪の動きは一致する」(梶井さん)、「一九八〇年代後半は農林水産予算と軍事予算が同じぐらいになり問題になった。それがいまや農業関係は三兆円を割り込もうとしているのに軍事費は五兆円を超えている。憲法九条がなくなる脅威が実感となっている」(秋田県大潟村の農家・坂本進一郎さん)、「どこの農家でも戦争犠牲者がいる。集落で憲法を守る話をしていきたい」(農民連会長の佐々木健三さん)と「会」を広げる決意を語りました。
同「九条の会」は、各県別に会を結成、農村で過半数の憲法九条を守る署名を集め、集会、新聞意見広告の賛同を準備することにしています。
■呼びかけ人懇談会参加者
石井啓雄(駒沢大学名誉教授、元農水省構造改善局農政課、東京都)、梶井功(元東京農工大学学長、東京都)、河井智康(海洋サイエンティスト、東京都)、坂本進一郎(農業、秋田県)、佐々木健三(農民運動全国連合会会長、福島県)、佐々木覓(もとむ)(西和賀農協組合長、岩手県)、暉峻衆三(元東京教育大学教授、東京都)、宮村光重(農業・農協問題研究所理事長、日本女子大学名誉教授、東京都)