2005年11月23日(水)「しんぶん赤旗」

米牛肉輸入

再開は「非科学的」

食品安全委 意見交換会で批判続出


 米国産牛肉輸入再開問題をめぐって、内閣府の食品安全委員会が二十二日に都内で開いた意見交換会で、プリオン専門調査会(座長、吉川泰弘東大大学院教授)がまとめたBSE(牛海綿状脳症)答申案の結論に「科学的でない」と疑問、批判が集中しました。

 札幌市はじめ各地での意見交換会でも同様の疑問、批判が続出していました。

 答申案を説明した吉川座長は、脳など危険部位を除去した生後二十カ月の牛という仮定をつけて米国産牛肉と日本のリスクの「同等性を(諮問として)問うのは、ほんとうは正当ではなかったのではないか」と発言。「(実行されていない)まるごと仮説の上でのリスク評価が成り立つのか専門委員のなかでも疑問が残った」と語りました。

 食品安全委員会は、意見交換会や二十九日までの意見公募を受けて、プリオン専門調査会を開き、審議したうえで答申をまとめることを明らかにしました。

 消費者代表の神田敏子全国消費者団体連絡会事務局長、肥育農家・酪農家を経営する津久井富雄社長、日本フードサービス協会の加藤隆一専務理事らがパネル討論したあと参加者が発言しました。

 神田事務局長は「データが不明で、管理措置の順守を前提にしたBSEリスクの科学的同等性を評価するのは困難としながら、日米のリスクの差は小さいという結論はわかりにくい」と批判し、「肉質で月齢の判断や、危険部位除去がきちっと実施できるのか心配だ」と疑問を提起。津久井社長も「国内対策とアメリカのBSE対策は歴然と違うことがわかった」と語り、「国内BSE対策をおこなってきた生産者として、米国には、われわれと違う対策でいいというのは理不尽だと思う」と疑問をぶつけました。


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