2005年11月22日(火)「しんぶん赤旗」

財政審の医療改悪意見書

失政のツケ 高齢者に押しつけ


 ▼解説 財政制度等審議会は二十一日、谷垣禎一財務相に提出した建議(意見書)は「社会保障給付の伸びを経済成長に見合う程度に抑制していくべき」と強調し、医療制度改悪に大きく踏み込みました。これは、財界の意向にそったもので、経済成長が1―2%にとどまっても、その範囲内に社会保障給付の伸びを抑えなさいという考え方です。とくに高齢者医療費の抑制に狙いがつけられました。

 医療制度「改革」に先立って実施された介護保険「改革」では、すでに施設入所者の食費・居住費全額自己負担化を導入しました。「負担に耐えられなくて、施設を出ざるをえない」状況が現実になっています。建議に盛り込まれた医療改悪が、「必要な医療を受けられない」状況をつくり出すことは必至です。

 政府・財界は、財政悪化を理由に国民にいっそう負担増を押し付けようとしています。公共投資と軍事費の異常膨張と無駄遣い、大企業・大資産家へのゆきすぎた減税という大失政のツケを、高齢者にしわ寄せすることなどは許されません。

 財政危機の打開や社会保障の財源づくりのためには、「財界・大企業の『既得権益』に抜本的なメスをいれる改革」(日本共産党第二十四回大会決議案)こそが求められています。(山田英明)


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