2005年11月22日(火)「しんぶん赤旗」
耐震偽造
完成13棟、倒壊の恐れ
国交省 21棟の名称公表
千葉県市川市の姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造問題で、完成ずみのマンションなど十四棟の強度を国土交通省が再計算した結果、震度5強の地震で倒壊の恐れのある建物は十三棟にのぼることが二十一日、判明しました。同設計事務所が一九九六年一月から設計に関与した物件が二十二都府県で計百九十四物件にのぼることも千葉県の調査でわかりました。このうち、東京・品川区にあるホテル「京王プレッソイン五反田」は、建築基準法違反の疑いがあるとして営業中止を発表するなど、事態はいっそう深刻になっています。
国土交通省は、偽造された構造計算書が使用された二十一棟のマンションとホテルの名称などの情報も公表。震度6強でも倒壊しないという建築基準法上の耐震性基準を一とすると、完成ずみの各マンションの耐震性は○・二六―○・七八にとどまっています。最も数値が低かったのは「芝大門二丁目マンション」(東京・港区)とホテル「京王プレッソイン茅場町」(同中央区)の〇・二六でした。
工事中または未着工だった七棟のうち、工事中だった千葉県船橋市の二棟も○・三七と○・三九。同市の別の一棟は、最終的な数値は算出できませんでしたが、中規模の地震で倒壊する可能性があるといいます。
建て替えか耐震改修の行政上の指導を行う基準となる○・五以下は、未完成含め十二棟となりました。
完成ずみで唯一、倒壊の恐れは低いとされた「初台二丁目マンション」(東京・渋谷区)も、震度6以上の大地震が起きれば破損が大きく、補修が必要だといいます。
建築確認をしたのは、指定確認検査機関の東日本住宅評価センターがおこなった「グランドステージ弁天橋」(横浜市鶴見区)以外の二十棟はすべてイーホームズ。建築確認のずさんさがあらためて裏付けられました。
完成済み十四棟のうち、ヒューザーが施主となったのが七棟。うち四棟を木村建設が施工を担当していました。