2005年11月21日(月)「しんぶん赤旗」
「未払い賃金払わせよう」
講師ら連携呼びかけ
破産の子ども英会話派遣会社
「未払い賃金問題解決にむけて、力をあわせましょう」――。子ども向け英会話講師を派遣する「ビンバンブンクラブ」を運営していた二社(エデュケアシステム、オーブエデュケーションシステム)が破産した問題で、解雇された講師らが、インターネット上の被害者交流掲示板などを通じて呼びかけています。
東京・日比谷公会堂で十九日に開かれた「債権者説明会」でも、会場前で管財人に提出する名簿作成のための署名を訴えたところ、「掲示板でみた」などと人垣ができました。
呼びかけ人の一人は千葉・八街市の及川和恵さん(43)。フリーの翻訳の仕事が少なくなり、昨年四月にエデュケアと契約。一カ月余の賃金が未払いです。
事業主が破産しても、労働者は国の「立て替え払い制度」を活用することができます。しかし、破産管財人のホームページなどで、「業務委任契約」の講師は「労働者ではない」と、活用できないことを知りました。
「あきらめたくなくて弁護士に相談したら、実態は十分労働者だと聞いたんです。説明会では、管財人も検討中だといっていました。一人では無理でも、みんなで労働者性を訴えて、認めさせたい」と及川さん。
講師は自宅から受講者の自宅を訪ねるため、顔をあわせるのは研修だけ。全国に散らばる講師の横のつながりはこれまでほとんどありませんでした。しかし、掲示板を通じて、大阪や福岡にも賛同者が生まれています。
やはり掲示板で知り合った東京・八王子市の女性(39)とは、説明会の日が初対面でした。この女性がレッスンを受け持っていたのは、十二人。一レッスン四十五分で千三百円。レッスンの準備には同じ時間かかることも。月に一度のリポート作成の時間は無給。移動に四十五分以上かかることもしばしばです。
「実労働時間から考えると本当に安あがり。十万円にも満たない賃金で大したことないと思うかもしれない。でも、エデュケアだけで講師は千八百人もいる。私たちが労働者であることを認めてほしい」といいます。