2005年11月21日(月)「しんぶん赤旗」

米中関係「建設的に」

両首脳 高レベル交流維持


 【北京=菊池敏也】中国の胡錦濤国家主席は二十日午前、北京の人民大会堂でブッシュ米大統領と会談し、二十一世紀における両国の「建設的協力関係」を全面的に推進することで一致しました。ブッシュ大統領は、胡錦濤主席の訪米を招請し、胡主席は快諾。胡氏は来年初めにも訪米する見通しです。

 新華社の報道によると、会談で胡錦濤主席は、両国の「建設的協力関係」をさらに発展させるために、(1)ハイレベル交流の維持(2)対話・協議による貿易摩擦問題の処理(3)エネルギー分野での互恵協力(4)反テロリズム、大量破壊兵器の拡散防止、鳥インフルエンザ対策での協力強化(5)文化交流の拡大―の五提案を行いました。

 ブッシュ大統領は「中国は重要な国」と指摘しつつ、今回の訪中が「重要な影響力を持つ二国間関係」に発展する機会となるよう希望しました。また、市場開放と知的財産権の保護で中国政府が措置を講じることは「非常に重要だ」と強調しました。

 会談後、両首脳が記者会見し、胡主席は「鳥インフルエンザのまん延と人への感染は各国が直面する共通の脅威だ」と指摘。両国が鳥インフルエンザ対策で協力に合意したことを明らかにしました。また、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議では、六カ国協議のプロセス推進に努力し、早期に朝鮮半島の核問題を平和解決することで一致したと述べました。

 米国が問題視してきた知的財産権侵害について、胡主席は、知的財産権保護を強化し、これを侵害する犯罪に対する取り締まりを強めると表明。人民元為替レートの改革も進める意向を示しました。

 一方、ブッシュ大統領は、六カ国協議での中国の「主導的役割」に感謝を表明し、北朝鮮がすべての核兵器と核計画を放棄する約束を履行するよう改めて求めました。

 ブッシュ氏はまた、中国が政治・社会・宗教の自由をさらに拡大するよう促しました。

 胡主席は、中国の「平和的発展」および人権の発展状況について米大統領に紹介したと述べ、中国では法にもとづき「民主的選挙、民主的政策決定、民主的管理、民主的監督」が行われていると強調。中国の実情を踏まえ、国民が享受する人権の水準を向上させると述べました。

 台湾問題について、胡主席はブッシュ大統領が「一つの中国」政策を堅持し、台湾独立に反対していることを評価しました。

 ブッシュ大統領は同日朝、北京市内のプロテスタント系教会で礼拝に参加。ブッシュ氏は「健全な社会は、すべての信仰を受け入れる社会だ」と述べ、中国での宗教の自由拡大を求めました。

 現地からの報道によると、会談のなかでブッシュ大統領は、歴史問題などで冷却化している日中関係に関して十分な議論を尽くすことが重要だと指摘し、日中関係の改善を促しました。


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