2005年11月20日(日)「しんぶん赤旗」
「孫に残したい9条」
国民大集会 願いいっぱい
「孫に残したい9条」「生きていけない大増税絶対反対」――。要求を記したのぼり旗やゼッケンをつけた参加者たち。十九日、東京・明治公園で開かれた「憲法改悪、庶民大増税は許さない11・19国民大集会」は、焦点となっている憲法と平和、福祉、暮らしを守りたいとの思いがあふれました。
■憲法9条・平和
参加の高校生“心強い…”と
「憲法九条はギリギリのがけっぷち。今立ち上がらないと戦争する国になってしまう」。埼玉県ふじみ野市の土佐由美子さん(51)は、そんな思いで集会に参加しました。「上福岡九条の会」の旗をしっかり握っています。
同九条の会は、二十三人で呼びかけて九月に結成。賛同者は百人を超えました。「今日は八人で参加しましたが、参加できない人には『9条バッジ』を胸につけてもらって意思表示してもらいます。もっともっとご近所の皆さんに広げたい」と土佐さん。
「平和について語れる人になりたい」。壇上で発言した高校生の中里弥生さん(17)の夢は「国際支援に携わる仕事をすること」といいます。「こんなにたくさんの人が集まって、心強い。高校生など二百人にアンケートをとったところ三分の一の人が憲法九条のことを知らないんです。知れば『守りたい』といいます」と話していました。
■基地
座間は米国の庭ではない
「座間はアメリカの庭でない」と大きく書いたのぼりを持って参加した川崎市の下山捷雄さん(68)。「基地の再編強化については市長も含めて頑張っている。世界に誇れる九条を持っている国に米軍の基地はふさわしくない。飛び立つジェット機の騒音。戦争のうめき音です」。背中につけたゼッケンには「孫に残したい9条」と手書きしました。「二歳の孫のためにもまだまだ頑張ります」と力強くデモ行進していきました。
■福祉
医療費ずしり入れ歯も断念
「これ以上の増税は苦しい。年金が減るのも止めたい」。歯科衛生士の中野友理子さん(24)は、勤めている名古屋市北区の病院に来る患者を思い返しながら話します。二〇〇二年に、老人保健制度は改悪され医療費の一割負担が徹底されました。そのころから、入れ歯の作り変えなどに来るお年寄りが費用を聞くようになったといいます。金額を聞き、作るのをやめる患者もいます。「そんな中での増税はダメです」
■大増税
仕事が回ってきにくくなる
愛媛県四国中央市から来た加地茂樹さん(56)は、「消費税の増税は困る」と語ります。仕事は内装業。リフォームでの壁紙の張り替えなどが最近は増え、新築の仕事は減ったといいます。サービスを求められれば、消費税分を割り引きます。「景気が良くなったとは思えない。そんな中で、サービスしてと言われれば『消費税分を』と答えてしまう。8%や二ケタの税率になればそんなことは言えないが、言わなければ仕事が回ってきにくくなる…」