2005年11月18日(金)「しんぶん赤旗」
中国初のヒト感染死
鳥インフルエンザで肺炎症状
【北京=菊池敏也】中国衛生省が十六日、同国で初めての鳥インフルエンザの人への感染を確認したのは、湖南省の九歳の少年と安徽省の二十四歳の女性の二例。少年は回復して十二日に退院しましたが、同様の症状で少年の姉も死亡し、感染の疑いを持たれています。安徽省の女性は十日に死亡しました。
湖南省の少年は、十月十日に発病し、発熱、肺炎の症状がありました。少年の姉も十月八日に発病し、同様の症状を示し、同月十七日に死亡していますが、抗体検査で陰性をしめし確定に至りませんでした。安徽省の女性は、十一月一日に発病し、発熱、肺炎の症状を示しました。
中国政府は、国内初の人への感染が確認されたことで鳥インフルエンザ対策をさらに強化。国家品質監督検査検疫総局は十六日夜、空港や港などでの検疫を強化する通達を出し、農業省も十七日、獣医管理部門が衛生部門に迅速に協力することなどを定めた鳥インフルエンザの緊急対応案を発表しました。
温家宝首相は十七日、北京で人用の鳥インフルエンザワクチンや薬品を研究・開発している企業、研究機関を視察。「情勢は厳しい」との認識を示しつつ、人への感染を防止し、国民の健康と安全を確保することを重点とするよう強調しました。
中国農業省は十七日、湖北省孝感市と新疆ウイグル自治区ホータン市で鳥インフルエンザが新たに確認されたと発表しました。