2005年11月15日(火)「しんぶん赤旗」
東京酒政連も献金攻勢
04年 自民・民主20議員に
使途不明金などをめぐって警視庁の家宅捜査を受けた全国小売酒販組合中央会の都の政治団体が、二〇〇四年に自民党、民主党の国会議員(元職含む)二十人や政党に計約三百七十万円の資金を提供していたことが、十四日わかりました。東京都選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書で判明したもので、政界への献金攻勢が問題になっています。(表参照)
この政治団体は「東京小売酒販組合政治連盟」(千代田区)。中央会の政治団体「全国小売酒販政治連盟」(酒政連)の地方組織です。中央だけでなく地方でも政治家に献金攻勢をかけていたことが明るみに出ました。
報告書によると、資金を受けたのは自民、民主両党の国会議員の資金管理団体や、議員が代表者を務める党支部など。民主党は「民主党大躍進パーティー」会費として十万円を受け取っています。
議員への資金提供は、パーティー券購入や選挙事務所への「見舞金」によるもの。額が一番多かったのは自民党の小杉隆・元文相の四十六万円。下村博文・前文科政務次官、石原伸晃・元国交相、武藤嘉文元総務庁長官(引退)らが続きます。
民主党では海江田万里氏(落選)が六万円を受けています。
酒政連については、〇一―〇二年の収支報告書に約八千万円の使途不明金が発覚。関係者は政治家らへの「車代」などに使われたと証言しており、政界に裏金が流出した疑いが指摘されています。全国小売酒販組合中央会のある幹部は「(政治家への資金提供については)東京の組合も主導的役割を担っているのでは」と話しており、資金の流れの解明が求められます。
■談合で幹部逮捕の勝村建設など
■自民・民主支部に献金
東京都発注の工事入札をめぐる談合事件で幹部が逮捕された中堅ゼネコン「勝村建設」(東京都台東区)など建設会社四社が昨年、自民党、民主党の七支部に政治献金をしていたことが十四日、東京都選挙管理委員会が公表した政治資金収支報告書でわかりました。
献金を受けていたのは、自民党の鳩山邦夫、深谷隆司の両衆院議員、大西英男、山崎孝明、近藤弥生の各都議、民主党の中山義活前衆院議員らが支部長の政党支部。
都発注の水道工事入札をめぐり談合を拒んだ建設会社を脅し、威力入札妨害容疑で元常務執行役員が逮捕された勝村建設は、自民党東京都第十八選挙区支部(鳩山邦夫支部長=当時)、八代英太前衆院議員が当時支部長をつとめていた同東京都第二選挙区支部(現支部長は深谷隆司氏)、民主党東京都第二区総支部(中山義活支部長)に各十二万円を献金をしていました。同事件で幹部が逮捕された「イケハタ」(同江戸川区)は、自民党江戸川区第二支部(大西英男支部長)に六万円を献金しました。
また、都発注の河川工事をめぐり談合の容疑で幹部が逮捕された「内田建設」(同足立区)は、自民党足立区第四支部(近藤弥生支部長)に十八万円、自民党東京都宅建支部(藤田和夫支部長)に二十万円余を献金。「栄都建設」(同江東区)も自民党江東区第二支部(山崎孝明支部長)に六万円を献金しました。