2005年11月15日(火)「しんぶん赤旗」
仏政府方針 非常事態法を延長へ
【パリ=浅田信幸】仏政府は十四日、緊急閣議で非常事態法の適用を三カ月延長する案を決定しました。全国に広がったフランスの暴動は徐々に収束しているとみられ、当初適用対象にあげられた二十五県のうち実際に夜間外出禁止令を発動したのは七県にとどまっています。このため、今回の政府の対応は論議を引き起こす可能性があります。
アルジェリア独立戦争時の一九五五年に成立した非常事態法は、閣議決定により十二日間の夜間外出禁止令などを施行できますが、延長には議会の承認が必要です。過去に同法が適用されたのは成立直後の一度だけで、期間延長が認められるなら今回が初めてです。
警察発表によると、暴動開始から十八夜目となる十三日夜から十四日にかけて、燃やされた車は二百八十四台、拘束された者は百十五人です。一時、三百自治体に広がった騒乱も二十―三十自治体に減少しています。
国家警察のゴダン総局長は十四日、「満足はできないが、事件の集計表は事態が落ち着きつつあることを確認している」と発言。車が五台以上燃やされる自治体が著しく減った事実をあげ「まだ『暴動』だと呼び続けなければならないのか」とメディアの報道にも苦言を呈しました。