2005年11月15日(火)「しんぶん赤旗」

水俣病 504人追加提訴

国・県・チッソに賠償要求

熊本地裁


 国の責任を認めた水俣病最高裁判決後の水俣病認定申請者らでつくる「水俣病不知火患者会」の会員が国・熊本県、加害企業チッソを相手取り損害賠償を求めた訴訟で十四日、第二陣五百四人が熊本地裁に追加提訴しました。第一陣の五十人とあわせ、請求総額は四十七億九千万となります。

 提訴にあたり、大石利生原告団長は環境省の態度を「行政のごう慢さは絶対に許せない。加害者の言うことかとあらためていきどおりを感じる」と批判。「救われるためには裁判しかない。すべての患者が立ち上がるように取り組んでいく」と決意を表明。

 園田昭人弁護団長は「水俣病の歴史で、加害者は、被害を小さなものとしてきた。これを広げてきたのは被害者のたたかい。国の姿勢はきびしいものがあるが、一枚岩の団結と、たたかってきた先人の実績を大事にして勝利に導こう」と訴えました。

 水俣病をめぐっては、最高裁判決後認定申請者が急増し、三千二百人を超えています。環境省は、被害者を水俣病と認めず医療費のみを支給する新保健手帳の申請を十月から受け付け開始しましたが、四百七十一人(十一日現在)が申請したのみ。園田団長は「裁判所への期待と、国への失望があって大量提訴となった。被害者は新手帳方式にノーを示した。これからも裁判希望者はどんどん増える」と語りました。


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