2005年11月14日(月)「しんぶん赤旗」
ゆうPress
全国青年大集会に参加して
一人じゃない・仲間がいる
深刻な現実変えたい
「使い捨てがまんできない」「若者に仕事を!」のプラカードをしっかり持った若者たち。「がんばれ!」の声に大きな拍手――。13日、働く悩みを出し合い、たたかいを交流しあった全国青年大集会(東京・恵比寿公園)に、参加した青年たちは元気をもらい、確信をもちました。
■労組の大切さ感じた
一回目の集会から参加している茨城県の斉藤浩さん(29)=菓子製造業 残業代がでないなどの問題を、どう解決したらいいのか、そのヒントを得たいと思って参加しました。
分科会の「仕事・なんでもしゃべり場」に参加して、保育士の人が職場の仲間と一緒になって賃金を上げさせたということを聞き、みんなで力をあわせてやること、労働組合の大切さを感じました。
私は正社員として四年働き、五年目に景気がよくなれば正社員にもどすという約束でパートになってくれといわれました。給料が減り、その仕事だけでは生活できないので、別な仕事をしています。
残業代はほとんど出ず、ひどいときには、月に百時間も残業したことがあります。残業代がでるのは、クリスマスケーキをつくる時期だけです。
がんばりたいです。
■ユニオンつくりたい
愛知県から参加した佐原拓馬さん(21)=派遣労働者 いま派遣労働者としてコンサート会場の設営などの仕事をしています。肉体労働なので時給は千円だけど、労働時間は朝八時半から夜十時まで。翌朝六時ごろまで二十時間労働のこともあります。分科会に参加して割増賃金がちゃんと支払われていないこともわかり、いろんな人の話も聞けて楽しかったです。
参加したのは、愛知でも青年ユニオンをつくりたいと思ったから。六月まで正社員で働いていた建築会社では、仕事の指示をきちんとしてくださいといったら、辞めざるをえなくなりました。労組があれば、自分も助かるし、助けられる人が増えたらうれしい。実はいま、親の借金を背負っていて、共産党の人たちに日々の食料まで助けられて生活しています。今度は労組をつくって自分が働いて人を助けられる喜びをつかみたいです。
■声をあげる人に驚き
千葉県市川市から参加した女性(30)=学童指導員(非常勤) 通しでこの集会に参加するのは初めてです。三年前から始まっている集会ですが、雇用問題でこうやって青年自身が声をあげているのに、まずびっくり。すごいですよね。あらためて自分の仕事や置かれている状況を振り返るきっかけになりました。
今まで、なんとなく非正規だということで胸を張って言いづらい気持ちがあったんです。それから非正規同士の間も、働き方がバラバラなので分断されているんですよ。
今の仕事をもう四年つづけているので、自分の置かれている状況はおかしいのかなと考えるようになりました。
このまま働きつづけられるのかな、辞めたらどうなるか、それも見えません。こんな不安定な中でも、何かできることがあるのか、いろいろな人の話を聞きたいと思っています。
■聞く事すべて初めて
初めて参加した東京・私立大三年の女子学生(23) 先輩に誘われて参加しましたが、聞くことすべて初めて。「不当解雇」なんてあることも、今日初めて知りました。裁判に訴えても判決が公正でないことにもびっくりです。裁判所は公正だと信じていましたから。
大学では、働く人たちや状況なんて教えてくれる先生はいません。大学という「世界」では、現実は知らされないし、ゆがんだ情報しかないんですね。これから、とにかく勉強をしていきたい。現実をもっともっと知りたい。
東京の大学四年の男子学生 分科会討論で、友人がやりたくない仕事をやらされているかもしれず、戦争の部品を作らされているかもしれない、どうしたらいいか、という発言がありました。考えさせられます。自分の仕事の内容、労働条件をしっかり確認することが大事なんですね。
■悩む友達に伝えたい
兵庫県から参加した保育士の女性(28)=非常勤 一年前まで、労働組合も民青同盟もまったく知りませんでした。前の保育園は職員も少なく絵本やおもちゃも購入せず、よりよい保育をするために、個人対経営者でたたかわざるをえませんでした。市役所にいっても取り合ってもらえず、挫折感を味わいました。
だから、法律や労働組合、職場をよくするためにどうしたらいいのか学びたくて参加しました。まわりには、仕事のことで悩んでいる友だちが少なくありません。私がそうだったように、同じように悩んでいる仲間がいます。一人じゃないんだと知るだけで苦しさはずいぶん違うはず。
権利や法律を知れば、おかしいことに流されずに、自分が悪いと思わずに客観的にむきあえます。ここで得たものを、兵庫に帰って悩んでいる友だちやまわりの人たちに伝え広げたいです。
■裁判 協力してほしい
全日本建設交運一般労働組合(建交労)北九州合同支部・九州定温輸送分会の小崎裕美さん(29)=福岡県 青年大集会には若い女性が多く、みんなエネルギッシュ。私も頑張ろうと思いました。私の勤めていた会社は倒産し、別会社に業務が移行されました。別会社に再雇用されることになっていましたが、労働組合員は再雇用されませんでした。倒産当時、私は組合員ではありませんでしたが、再雇用されませんでした。理由は組合員と仕事をしていたためです。
倒産前は会社側にいた人間です。その理由に納得がいかなくて組合に入りました。組合活動をしている若い女性が少ないので、増えてほしいし、広げたい。今月中に再雇用を求める裁判が始まります。自分たちの裁判闘争を知ってほしいし、協力してほしい。つらいこともあり、泣いたこともありますが九州で青年ユニオンをつくりたいです。
■お悩みHunter
■彼との環境の違いにやっていけるか不安
Q付き合っている彼は有名大学院を卒業し、マスコミ業界で働いています。お母さんはメディアによく登場する有名人で学歴も肩書も華やか。友人・知人もエリートばかりです。彼は母親に「将来一緒に二世帯住宅で住んでもいい」と話しているようです。私は普通の大学を卒業した会社員。彼の家族環境でやっていけるのか不安です。(24歳、会社員。神奈川県)
■正直な気持ち 話してみたら
Aあなたの気持ち、とてもよく分かります。
自分では学歴や肩書、生活環境などの違いをまったく気にしていないつもりでも、実際に自分と違う環境で生きている人たちの中に入ると、自分との違いにびっくりします。圧倒され、劣等感さえ感じることもありますよね。
自分の知らない世界のことを教えてもらい、友達になってみようと試みても、最終的に孤独を感じてしまうこともあります。ましてや、これから生活を共にしたり、生活の拠点をそこに置くには大変な不安があると思います。
しかし、周りがどうあれ、あなたと彼の心がしっかりつながっていれば、何の問題もないと思います。あなたと彼とで、これからの家族環境を新たにつくっていけば、よいのではないでしょうか。
まずは、彼にあなたの正直な今の気持ちを話し、理解してもらうことが大切ですね。そして、暗中模索しながらも一歩一歩、新たな二人の家族環境を築いていってください。
そうすれば、いずれ違った環境の人々とも劣等感を感じることなく、対等に付き合えるようになるのではないでしょうか。自分の行動範囲や思考範囲が広がり、よりいっそう、楽しい日々を送ることができるようになると思います。
■舞台女優 有馬 理恵さん
「肝っ玉お母とその子供達」など多くの作品に出演。水上勉作「釈迦内柩唄」はライフワーク。日本平和委員会理事。