2005年11月12日(土)「しんぶん赤旗」
日弁連が憲法尊重宣言
人権擁護大会終わる
鳥取
十日から鳥取市で開かれていた日弁連(日本弁護士連合会)の第四十八回人権擁護大会は十一日、憲法決議などを採択して閉会しました。
大会には、全国から千五百人を超える弁護士が参加。あいさつにたった梶谷剛会長は「基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士会として、現憲法の基本的原理である国民主権、基本的人権の尊重、平和主義に立脚し、全国の弁護士会で精力的に論議されることを期待します」とのべました。
大会では、前日の三つの分科会でのシンポジウムの報告や議案とともに決議案として、立憲主義の堅持と日本国憲法の基本原理の尊重を求める宣言などを採択しました。
憲法決議では、改正論議のなかには、憲法の権力制限規範にとどめず国民の行動規範としようとするもの、国民の責任や義務の自覚あるいは公益や公の秩序への協力を明記し強調しようとするもの、集団的自衛権を認めたうえでその範囲を拡大しようとするものなどがあることを指摘。日本国憲法の理念や基本原理を後退させることにつながると危ぐせざるを得ないとしています。そのうえで、「二十一世紀を、憲法前文がうたう『平和のうちに生存する権利』が保障される輝かしい人権の世紀とするため、世界の人々と強調して人権擁護の諸活動に取り組む決意である」と宣言しています。