2005年11月7日(月)「しんぶん赤旗」
山古志に帰るには
中越地震 高橋議員が区長と懇談
新潟県中越大震災被災地を訪れていた日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は五日夜、長岡市山古志の区長四人と懇談しました。五十嵐完二県議、石橋幸男、竹島良子両市議、宍戸末雄復興支援センター長が参加しました。
区長はほとんどが旧山古志村の前議員。懇談では、復興に向けてまだ方向性が定まらないなど、深刻な実態が浮きぼりになりました。
区長から「集落が水没して集団移転しようにも、どの制度を利用するのがよいのかが一番の悩み。集落が死ぬような移転はしたくないし、田畑は生かしたいが、住宅再建費用が大変」「村から出る意向の人が半分いて、年寄りだけの世帯になる家も出てくるし、農地の維持も難しくなる。放置すれば田んぼは草も木も生え、林になる可能性もある」との実態が報告されました。
また、「集落の高齢者の99%は国民年金で六十歳繰り上げ支給をしており、年金額は少ない。山にいればコメや野菜は自給できるが仮設ではできず、少ない年金で一カ月ごとに蓄えが減っていく」「一番弱い立場のお年寄りや障害者は、制度の適用を緩和してもらわないと途方にくれている人が多い」「地震の問題以上に心配なのは、介護保険改正で施設居住費が月八万円もとられること。五万円の国民年金の人には非常にきびしく、耐えられるかどうか」などの深刻な実態も出ました。
高橋議員は「大変な中でも皆さんの村へ帰ろうという強い気持ちを感じた。少しでも希望がかなえられるよう尽力していきたい」と述べました。