2005年11月5日(土)「しんぶん赤旗」
米軍再編予算、別枠で
中期防 高速艦導入で増額検討
防衛庁要求へ
防衛庁は四日、二○○六年度予算編成に当たり在日米軍再編費用を通常の軍事予算(防衛関係費)とは別枠で要求する方針を固めました。再編の「中間報告」に盛り込まれた沖縄の米海兵隊司令部のグアム移転などで日本側が巨額の負担をしなければならないことから、同庁は通常予算の枠内での対応はできないと判断しました。
これまで政府は、通常の軍事予算とは別枠(内閣官房予算)で軍事偵察衛星の導入を行い、“第二の軍事費”と呼ばれてきました。これに加えて在日米軍再編費用の別枠予算計上は“第三の軍事費”となるもの。いっそう巨額の軍事費負担を国民に負わせることになります。
一方、米軍再編に絡む自衛隊の司令部移転や装備品導入などでは、別枠扱いは求めない方針。しかし、現行の「中期防衛力整備計画」(中期防、○五―○九年度)に入っていない高速輸送艦の導入が「中間報告」に明記されたことなどから、中期防(二十四兆二千四百億円)の増額も検討します。
防衛庁によると、沖縄の米海兵隊司令部のグアム移転について米側は六年間で実施するとともに、関連経費が数千億円規模に上ると日本側に伝えています。「中間報告」はまた、厚木基地の空母艦載機部隊の岩国基地移転や嘉手納基地のF15戦闘機訓練の本土分散、沖縄本島中南部の基地の北部への集約なども盛り込みました。これらに関する費用も日本側が負担することになります。
これに関連し、防衛庁首脳は四日、「米国は軍再編を早期に完了させたい意向なので、日本側もできるだけ協力する姿勢を見せる必要がある」と述べ、別枠計上を目指す考えを示しました。