2005年11月4日(金)「しんぶん赤旗」

CIAが秘密収容所

海外8カ国 テロ容疑者100人拘留

米紙が報道


 【ワシントン=山崎伸治】米中央情報局(CIA)が拘束したテロ組織アルカイダの構成員を東欧にある旧ソ連時代の収容施設跡に送り込んでいることが明らかになりました。二日付の米紙ワシントン・ポストが一面トップで報じました。

 現職・元職の情報当局者や外交官の話として伝えたところによると、この施設は「CIAが約四年前につくった秘密の収容所の一部」で、タイやアフガニスタン、東欧諸国など八カ国に存在。CIAにとって「対テロ戦争の重要な要素」とされています。同紙は当局者からの要求で、東欧諸国の名前は明かさないとしています。

 これらの施設の設置は二〇〇一年九月の同時多発テロ直後に着手され、「ホワイトハウスと司法省のごく内輪の弁護士によって承認された」もので、ブッシュ大統領が承認したかどうかは不明だとしています。施設の建設・維持には議会で承認された予算が使われていますが、ホワイトハウスはCIAに対し、上下両院の情報委員会の委員長・副委員長だけに計画の概要を伝えるよう指示していたといいます。

 同紙は「政府が受刑者を米国内で秘密の刑務所に隔離することは違法なため、CIAは海外に拘留した」と指摘。しかし、そうした施設のある国の中には、受刑者に弁護士をつける権利を認めている国もあり、そこではやはり違法となります。

 これまで百人以上がこうした施設に送り込まれ、そのうち約三十人が「重要テロ容疑者」とされています。

 ハドリー国家安全保障担当大統領補佐官は二日の記者会見で、この問題について問われましたが、「諜(ちょう)報活動にかかわりかねない問題にふれる」として、コメントを避けました。


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