2005年11月1日(火)「しんぶん赤旗」
九条二項改定の方向
民主党が「憲法提言」
民主党は三十一日、党本部で憲法調査会(枝野幸男会長)の総会を開き、改憲の焦点となっている九条の取り扱いにかかわる安全保障分野を含めた「憲法提言」を了承しました。「提言」は、同党の改憲案とりまとめの土台となる考え方をまとめたものです。
「提言」は、解釈改憲による「憲法の『空洞化』に歯止めをかける」として、憲法改定を合理化しています。
九条の関連では、「『制約された自衛権』を明確にする」として、個別的自衛権と集団的自衛権を区別なく憲法に盛り込もうとしています。
また、「国連多国籍軍の活動や国連平和維持活動への参加を可能にする」として、国連を通じた軍事活動への参加を明記。それらの活動については、「武力の行使を含む」としました。
いずれも、海外での武力行使の歯止めになってきた九条二項(戦力の不保持、交戦権の否定)を改定する方向です。
安全保障に関する詳細については「安全保障基本法」で定めるとしています。
総会では「自衛権には集団的自衛権を含めるべきではない」「集団安全保障活動の中で武力行使は認めるべきではない」などの異論も出され、これらの点について議論を重ねていくことも確認しました。
今後、民主党は「提言」をもとに国民向けのパンフレットをまとめ、年明けから全国各地で国民との対話集会を開催するとしています。