2005年10月30日(日)「しんぶん赤旗」
CIA漏えい
副大統領補佐官を起訴
問われるイラク侵攻強行
【ワシントン=鎌塚由美】米連邦大陪審は二十八日、中央情報局(CIA)秘密工作員実名漏えい事件で、ルイス・リビー副大統領首席補佐官(55)を偽証や司法妨害など五件の罪で起訴し、同氏は、補佐官を辞任しました。
起訴されて辞任する大統領府高官としては、一九七三年に汚職事件で辞任したアグニュー副大統領以降で最も高位の高官。ブッシュ政権は二〇〇一年の発足以来、最大の危機に直面しています。
同氏は、一九九二年にウルフォウィッツ国防次官(当時)とともに先制攻撃戦略を提言。ブッシュ政権の軍事戦略立案やイラク攻撃提唱の中心人物の一人でした。今回の事件で問われているのは、ウソの証拠でイラク侵攻を強行したブッシュ政権の行動そのものです。
カール・ローブ大統領次席補佐官の起訴は見送られましたが、連邦大陪審での捜査は続けられる見込み。裁判にはチェイニー副大統領も証人として出廷する可能性があります。