2005年10月29日(土)「しんぶん赤旗」

安心して生きられない

「自立支援」法案衆院委可決 障害者ら抗議集会


 「障害者は普通の人より弱い立場。これでは、安心して生きていけなくなる」。子どもが障害を持つ母親はハンカチで目をぬぐいました。二十八日、衆院厚生労働委員会で障害者「自立支援」法案が自民、公明の与党によって可決されると、障害者や家族、関係者で埋まった傍聴席から「『自立支援』法案反対」と怒りの声が響きました。

 知的障害者の入所施設に十三年間娘さんが入っているという関永照子さん(67)=埼玉・春日部市=は採決時、与党議員が賛成の起立をすると、目を赤くし、うつむきました。障害があるだけに「普通の人よりも幸せに生きてほしいと願ってきた」娘さんの顔が頭に浮かんだといいます。「ますます生きにくくなっていく。くやしい」

 採決後、衆院第二議員会館前では千人を超える人が参加して抗議集会が開かれました。可決が報告されると、しゃべれない障害者が言葉にならない声を出すなど騒然とした雰囲気に。

 主催は「このままの障害者自立支援法案では納得できません! 当事者・地方の声を国会にとどけよう! 2週間行動」と「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」の二団体。それぞれの抗議声明が読み上げられました。

 高知県からきた松本誠司さん(37)は「納得ができない」。一人暮らしの中で月六十時間使っているヘルパーが今後どうなるのか、負担はどのくらいになるのかという不安な思いを話しました。

 集会には採決後、野党の国会議員も駆けつけました。日本共産党からは赤嶺政賢、笠井亮、穀田恵二、佐々木憲昭、塩川鉄也、高橋千鶴子、吉井英勝の各衆院議員、小林みえこ、吉川春子の両参院議員が参加。笠井議員は「これからも、障害者の自立と社会参加の実現目指して頑張っていきます」と話しました。


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