2005年10月29日(土)「しんぶん赤旗」

改憲反対の国民多数派めざす

上田党闘争本部長が談話


 日本共産党の上田耕一郎憲法改悪反対闘争本部長は二十八日、自民党の新憲法草案について次の談話を発表しました。

 自民党新憲法起草委員会(委員長・森喜朗前首相)は二十八日、十一月の立党五十周年党大会に発表する「新憲法草案」を発表した。

 わが党は第三回中央委員会総会で「日本をアメリカいいなりに『海外で戦争をする国』につくりかえることにある」と改憲策動の真の目的を明らかにしたが、草案はまさに米国の単独行動主義にもとづく戦争に参戦させるための全条文にわたる大改悪にほかならない。

 それは「前文」と改悪の核心である九条の条文の中身をみれば明白である。

 「前文」は現行の憲法前文の高い格調と深い内容のすべてを失わせており、とくに「再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」決意は完全になくなってしまった。

 九条一項の『戦争の放棄』は現行のままとされたが、『戦力保持の禁止』と『交戦権の否認』を規定した九条二項を削除し、「自衛軍の保持」を明記した。

 これにより志位和夫委員長が今年の五月三日にひらかれた「二〇〇五年5・3実行委員会」主催の憲法集会で、内閣法制局長官の答弁を引用して指摘したように、「三つのこと―海外派兵、集団的自衛権の行使、国連軍への参加」が可能となる。

 まさに「戦争をしない国」から地球上どこででも「戦争をする国」への重大な変質である。

 また、前文で「日本国民は、国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有」と愛国心を強調、十二条では「公共の福祉」のかわりに「公益及び公の秩序」を「国民の責務」として押しつけるなど、近代立憲主義を否定する驚くべき反動的草案である。

 憲法改悪反対の国民多数派を結集するためにも、この反動的な草案の暴露と追及は、早急に求められる喫緊の課題である。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp