2005年10月29日(土)「しんぶん赤旗」
「自立支援」法案が可決
衆院委 障害者ら抗議
共産党は反対
障害者「自立支援」法案が、二十八日の衆院厚生労働委員会で採決され、自民、公明両党の賛成多数で可決しました。日本共産党と民主党、社民党は反対しました。
反対討論で日本共産党の笠井亮議員は「所得保障もせず、サービスを手に入れられない状態に置きながら、『サービスは利益だ』などという立場から負担を求めることは障害者の自立と社会参加、人権保障に反する姿勢だ」とのべました。
採決後、議員会館前に障害者と家族、障害者運動の関係者が集まり、抗議と怒りの声が上がりました。
法案は「応益負担」導入が最大の焦点になりました。「応益負担」は、障害が重くたくさんのサービスが必要な人ほど負担が重くなるものです。福祉を踏みにじる根本改悪に反対し、慎重審議を求める運動が全国に広がり、再提出後も疑問や切実な要望を訴えたメールやファクスなどが与党議員にも殺到しました。
サービスの提供は、今後、支援の必要度を示す障害程度区分(身体、知的、精神の各障害共通)をコンピューターで判定し、市町村審査会が最終認定した各区分ごとに利用できる時間数やサービスの種類が決まる仕組みとなります。
この障害程度区分やサービスの報酬水準によっては現行サービスの切り下げや必要なサービスが確保されないことも起こりますが、その中身は明らかにされないまま採決となりました。法案は週明け三十一日の衆院本会議で採決されます。