2005年10月27日(木)「しんぶん赤旗」
すべての被害者救済を
ハンセン病訴訟 原告ら座り込み
厚労省前
日本の旧植民地統治下の韓国(小鹿島・ソロクト更生園)と台湾(楽生院)のハンセン病元患者が「ハンセン病補償法」に基づく補償を日本政府に求めた訴訟の判決が出た翌日の二十六日、支援者などが厚生労働省前で座り込みをおこない、「国内外を問わず、すべての被害者の救済を」と訴えました。昼には韓国の原告全員が参加。日本の療養所退所者九十六人も参加しました。
「補償法」制定にかかわってきた日本共産党の瀬古由起子元衆院議員は、「裁判で争う以前に政府と国会に(解決する)責任がある」とのべ、問題解決に力を尽くすと訴えました。
リレートークでは、沖縄からきた在日朝鮮人の女性が「おじいちゃん、おばあちゃんが笑顔になるための裁判にしたい」。鹿児島からきた全療協会長の川辺哲哉さん(83)は「私たちが叫び続けたことを守ってください」と訴えました。
■旧植民地も補償対象に
■笠井議員が政府に求める
日本共産党の笠井亮衆院議員は二十六日の厚生労働委員会で、二十五日に東京地裁で出されたハンセン病「韓国・台湾訴訟」の判決を取り上げ、「今こそ国が旧植民地の元患者も補償対象とすべきだ」と求めました。
尾辻秀久厚生労働相は「判決内容を検討し、関係省庁とも協議した上で対応していきたい」と答弁しました。
笠井氏は、ハンセン病問題検証会議の「最終報告書」で「小鹿島更生園(韓国)も楽生院(台湾)も日本国立療養所と同等に扱われている」と結論づけていると指摘。「議員としても立法にかかわった大臣自身の政治的判断が大事。明確に踏み出すと答弁していただきたい」とただしました。
尾辻厚労相は、「同報告書の内容はその通りで、重く受け止めている」と答えました。また二〇〇一年に当時の坂口力厚労相が「戦前の韓国でのハンセン病対策については、歴史を検証していく中で検討する」という立場を示したことに対し、尾辻厚労相も「同じ立場だ」と述べました。
■敗訴の韓国人117人控訴
日本の植民地時代に設立された韓国のハンセン病療養所「国立小鹿島(ソロクト)病院」(旧小鹿島更生園)の入所者で、ハンセン病補償法に基づく補償金を不支給とされた百十七人が処分取り消しを求めた訴訟で、原告側は二十六日、請求を棄却した一審判決を不服として控訴しました。