2005年10月27日(木)「しんぶん赤旗」
障害者支える社会に
「自立支援」法案反対
800人が国会行動
障害者「自立支援」法案の衆院厚生労働委員会での採決をめぐって緊迫した二十六日、北は北海道から南は鹿児島まで全国から障害者や家族、施設職員など約八百人が国会周辺に集まりました。障害者らは「人間として生きていくために」と、応益負担導入に反対し、慎重審議を求め終日、国会議員要請、委員会の傍聴、緊急集会などを行いました。
昼過ぎから衆院第二議員会館前で行われた緊急集会。「これでいいのか!?障害者(児)福祉〜愛知集会」の市江由紀子実行委員長は「私たちがこの法案に感じているのは、生きていけなくなるという恐怖」と語ります。現在一日二十時間の全面介助の認定を受けていますが、「自立支援」法案になると一日二時間程度になる可能性があるといいます。市江実行委員長は「(この間の制度で)政府が掲げた『自己選択・自己決定』はどこへいったのか」と疑問を呈し慎重審議を求めました。
障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会の吉本哲夫会長は「障害者が人間として生きていくための願いをこの国会はまだ聞き入れていない。どのような障害があっても人間として生きるのは権利。最後の最後まで応益負担反対を訴えていきたい」と話しました。
議員要請には四百人以上が参加。班に分かれ全衆院議員の部屋を回り「いま力を入れるべきは、立ち遅れている社会資源の整備や所得保障」として採決を避けるよう求めた緊急要望書を手渡しました。
委員会終了後には衆院議員面会所に日本共産党の笠井亮衆院議員や民主、社民両党の議員がかけつけました。笠井議員は「十三年間、母親を介護してみて、町に車いすで出かけると、トイレがないなど障害者にとってバリアだらけ。そういう状況だからこそ社会が政治が支えることは当たり前」として「自立支援」法案ではなく、障害者を応援する施策を実現するために頑張っていくことを表明しました。