2005年10月27日(木)「しんぶん赤旗」
世界的な米軍基地再編
各国で反対強まる
英戦略研 「ミリタリー・バランス」公表
【ロンドン=岡崎衆史】英国際戦略研究所は二十五日、世界の軍事情勢を分析した年鑑「ミリタリー・バランス」(二〇〇五―〇六年版)を公表。世界的な米軍基地再編に各国で反対が強まっていることを明らかにしました。
年鑑は、東欧三カ国、アフリカ五カ国ですでに設置された基地に加え、アフガニスタンとアゼルバイジャンに新しい米軍基地をつくる計画があると指摘。米国がカンダハルとバグラムに「より恒久的な」基地建設を狙うアフガンでは、「外国軍駐留に懸念が広がっている」と述べています。
また、中国、ロシアと中央アジア四カ国から成る上海協力機構首脳会議が七月に、中央アジアの米軍駐留に期限を設定するよう求めたことを皮切りに、ウズベキスタンが六カ月以内の米軍撤退を求め、キルギスが米軍駐留期限をアフガン作戦終了までとするよう示唆したことも紹介しました。
韓国でも平沢市の米軍基地拡張計画やパトリオット・ミサイル配備に反対運動が起きていることを挙げ、「米軍基地再編は市民の抗議を引き起こした」としています。
年鑑は日中関係にも触れ、反日デモや小泉首相の靖国神社訪問で悪化した両国関係を「(日本の)防衛計画大綱が中国を潜在的脅威に挙げたことでさらに悪化させた」と指摘。米国のミサイル防衛に日本が参加する動きも関係悪化の一因に挙げました。また、今後、イラクのような武装勢力とのたたかいやテロリストへの対応が軍隊の主な任務となり、自軍を安全な場所に置き戦闘機や戦艦からの大量の精密誘導弾で敵を圧倒する米軍の軍事革命(RMA)では対処できない状況がさらに広がると予想しました。