2005年10月26日(水)「しんぶん赤旗」
JR西本社を保安監査
国交省 脱線再発防止を調査
百七人が死亡、五百五十五人が負傷した兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、国土交通省は発生から半年となる二十五日午後、JR西日本本社(大阪市北区)に対する保安監査を始めました。
二十八日まで四日間の予定。同社への保安監査は、これまで京都、大阪、神戸の三支社に実施していますが、本社に対しては初。
監査は国交省鉄道局技術企画課の河合篤安全対策室長ら計十三人で実施。自動列車停止装置(ATS)増強などの再発防止策をまとめた同社の「安全性向上計画」の進み具合や、今後の実施計画などを調査します。
事故原因をめぐっては同省航空・鉄道事故調査委員会が先月、中間報告をまとめ、四項目の建議(提言)を行いましたが、最終報告にはまだ一年以上かかるとみられます。遺族らは、JR西に事故原因について説明を求めていますが、いまだにJR西は遺族の要望を拒否しています。
JR西による補償問題も、電車が突っ込んだマンションの住民や軽傷者の一部と和解が成立しただけで、死亡した乗客百六人の遺族や重傷者とは進展していません。