2005年10月26日(水)「しんぶん赤旗」
国連60年記念式典
貧困と富の共存は不名誉 事務総長
多国間主義の重要性指摘 総会議長
【ニューヨーク=山崎伸治】国連は二十四日、創設六十周年を迎え、ニューヨークの国連本部で記念式典などが行われました。
アナン事務総長はビデオメッセージで国連の直面する諸課題にふれ、「極端な貧困が富と共存しているという不名誉」に言及。「救う手立てがありながら、数億の人たちが飢餓や病気、環境悪化にさらされたままだ」と訴えました。
アナン氏は九月の国連首脳会議の結果について、地球温暖化対策や安全保障理事会の改革、核軍縮の分野で不十分だったことを指摘。「やるべきことがたくさん残されている」として、国連職員と各国政府、諸国民に解決の努力を呼びかけました。
第六十回国連総会のエリアソン議長(スウェーデン)はメッセージの中で、「今日、多国間主義は試練に直面している。世界の現実は、地球的規模の行動と集団的な努力がかつてなく必要とされていることを、常に思い起こさせている」と述べました。
さらに、「国連が世界中の人々や危機にひんした地域にとって重要であることが日々、証明されている」と多国間主義に立った国連の役割の重要性を強調しました。
本部ロビーで開かれた式典では、アナン氏が殉職した国連職員に花輪をささげました。国連国際学校の生徒が国連の六つの公用語で「ハッピー・バースデー」を合唱し、バースデーケーキも登場。同日夜には総会会議場でコンサートが開かれました。