2005年10月25日(火)「しんぶん赤旗」
英で人感染ウイルス
鳥インフルエンザ EU、野鳥輸入禁止検討
【ロンドン=岡崎衆史】英環境・食糧・農村省は二十三日、先に検疫施設内で死んだオウムから検出された鳥インフルエンザのウイルスが人にも感染するH5N1型であることが判明したと発表しました。
H5N1型ウイルスは、一九九七年以降、同ウイルス感染で東南アジアなどで約六十人が死亡しています。
環境・食糧・農村省のレイノルズ獣医師長は、オウムは台湾から輸入した鳥二百十六羽と同じ場所に収容されており、ここから感染した可能性があるとしています。
死んだ二羽のオウムの細胞組織を一つのサンプルとして検査したため、H5N1型感染オウムが一羽なのか二羽なのかは不明です。
死亡したオウムは南米スリナムから輸入された百四十八羽のうちのものでした。
一方、欧州連合(EU)は二十三日までに、英政府の提案を受け、域外から生きた野鳥の輸入を禁止するかどうかについての検討に入りました。二十五日までに結論を出します。
二十四、二十五の両日に開かれる農相理事会や、二十五日の専門家会合で具体的に検討する予定です。
EUは、これまでトルコやルーマニアなどウイルスが見つかった諸国からの輸入を禁止してきました。
■“国際社会に危険”/インドネシア大統領強調
【ハノイ=鈴木勝比古】インドネシアのユドヨノ大統領は二十四日、ヘルシンキで開催されている世界八十カ国の国会議員が参加する電子ネットワーク会議に基調演説を送り、鳥インフルエンザが国際社会に及ぼす危険について注意を喚起し、「この伝染病は昨年の大津波よりも危険性が高い」と強調しました。
ジャカルタからの報道によると、同大統領の演説はジャカルタからヘルシンキの会議へ電子送信されました。ユドヨノ大統領はこの演説で、「鳥インフルエンザ・ウイルスは数分間で広がり、多くの地域で多数の人々を殺害する可能性がある」と述べました。
H5N1型ウイルスにより、東南アジア地域で一昨年十二月から今年十月までに六十人以上が死亡しています。ベトナムの死者が四十一人で最高ですが、最近ではインドネシアで急速に広がり、同国の死者は六人にのぼります。タイでも二十日に今年初の死者が出て、同国の死者は十三人になりました。