2005年10月25日(火)「しんぶん赤旗」
消費税12%を視野
自民財政研が中間報告
自民党の財政改革研究会(会長・与謝野馨政調会長)は二十四日午後、消費税の「福祉目的税化」を柱とする財政再建策に関する中間報告をまとめました。年金、医療、福祉財源を、原則として社会保険料と消費税だけで賄うよう提言しており、消費税率アップの方向を明確に打ち出しました。
具体的な税率について、同会座長の柳沢伯夫政調会長代理は記者団に対し、二〇一五年度時点の試算をもとに、社会保障給付の伸びを名目経済成長率並みに抑制しても、消費税率は12%に引き上げる必要があると指摘。10%台への引き上げが今後の検討課題になるとの認識を示しました。
中間報告は年金、医療などに要する経費について「給付の伸びを合理的な範囲に抑制する」とともに「消費税のすべてを社会保障目的税化する」と明記。与謝野会長は同日午前、首相官邸で小泉首相に報告書の内容を説明し、了承されました。
同研究会は、「福祉目的税化」を打ち出しましたが、消費税は低所得者ほど負担が重くなる「福祉破壊税」です。また、「福祉目的」を口実に際限なく税率を引き上げていく恐れがあります。
一方、税金に色がついているわけではなく、消費税で集めた税金が大企業優遇策や軍拡財源につかわれかねません。事実、消費税導入(一九八九年四月)以降の消費税の税収の累計は、同時期の法人税の減収分の合計とほぼ同じ額です。