2005年10月24日(月)「しんぶん赤旗」

国連 きょう創設60周年

平和と安全 武力によらず維持

いまも有意義な憲章の目的・原則


 国連(国際連合)が創設されて、二十四日で六十周年を迎えます。ニューヨークの国連本部では、アナン事務総長やエリアソン第六十回総会議長らが出席して、「誕生日」を祝う式典などが開かれます。(ワシントン=山崎伸治)


 国連の歴史は、第二次世界大戦の終結が迫った一九四五年六月二十六日に始まります。この日、米サンフランシスコに集まった連合国五十カ国の代表が「国連憲章」に署名しました。その後一カ国が加わり、五十一カ国となった調印国の過半数が批准。「国連憲章」が発効した同年十月二十四日が国連創設の日となりました。第一回総会は四六年一月、ロンドンで開かれました。

 「国連憲章」は二度の世界大戦という「言語に絶する悲哀」(前文)を二度と繰り返さないという決意の上に、「国際の平和及び安全を維持すること」(第一条)を目的の第一に掲げています。

 そのため加盟国には、「国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない」、「武力による威嚇又は武力の行使を…慎まなければならない」(第二条)という原則を義務づけています。

 この目的と原則とは、現在の国際社会において、ますます有意義で必須のものとなっています。

 それは、国連創設六十周年を記念し九月に国連本部で開かれた国連首脳会議で示されました。

 会議では、国連がこの六十年間に果たしてきた役割を評価し、これからも国連を中心とした多国間主義にもとづく国際秩序づくりを目指すべきだとの意見が大勢を占めました。

 「ふさわしい権限を有する国連総会を中心にした有効な多国間システムによって、絶対的な力の行使や国際法の侵害が起きないことは最大限保障される」(マレーシアのアブドラ首相)

 「国連憲章の目標はいまも有効だ。このグローバル化した世界でそれを実現するのに必要なのは、有効な多国間主義と組織改革、開発に適した資材だ」(フィンランドのハロネン大統領)

 二〇〇三年、国連憲章の諸原則を踏みにじりイラク戦争を開始した米国のブッシュ大統領も、この憲章の前文を引用して、「われわれはこうした崇高な理想を守り続ける」と言明せざるをえませんでした。

 創設から六十年たった今日、安全保障理事会のあり方や事務局の問題点など、国連にはさまざまな改革が求められています。

 それでも、国際の平和と安全を武力によらない方法で維持するという国連の目的と原則が有効であることに、変わりはありません。


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