2005年10月24日(月)「しんぶん赤旗」
首相の靖国参拝
米外交委員長(下院)が「遺憾」
駐米大使に書簡
韓国放送公社(KBS)など韓国各メディアが二十三日伝えたところによると、米下院のハイド外交委員長(共和党)は二十日、加藤良三駐米大使に送った書簡で、「日本政府関係者らが靖国神社参拝を続けていることを遺憾に思う」と表明、小泉純一郎首相と閣僚らの参拝を批判しました。
それによると、ハイド氏は書簡で、自ら太平洋戦争に参戦した一人として、戦争で命を落とした軍人、民間人について国籍を問わず追悼することには共感するとした上で、「靖国神社はアジアをはじめ全世界的に、第二次世界大戦の未解決の歴史を象徴しており、太平洋戦争をも引き起こした軍国主義的な立場の象徴だ」と指摘しています。
また、日米両国には共同で対処すべき急務が多いとし、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議、十一月に韓国の釜山で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などに言及。「こうした決定的な時期に歴史問題が再び提起され、域内の各国が諸懸案について建設的な対話をすることができなくなれば、日米両国にとって利益にならない」と強調しました。
米下院は七月、太平洋戦争開戦時の東条英機首相らをA級戦争犯罪人として裁いた極東軍事裁判(東京裁判)の判決を再確認する決議案を可決しています。ハイド氏は決議案を主導した議員の一人。