2005年10月23日(日)「しんぶん赤旗」

自民党のシンクタンク

人も金も財界頼み


 自民党が設立を準備しているシンクタンク(政策研究機関)は人も金も財界頼みの構想で進められていることがわかりました。

 同シンクタンクは昨年九月に党改革検証・推進委員会(現・党改革実行本部)で設置構想を決定しました。十一月の結党五十年記念党大会前に設立記念シンポジウムを開く運びです。二十一日には安倍晋三幹事長代理が小泉純一郎首相に同構想を説明し、首相も賛意を表明しました。

 自民党シンクタンクは党から独立した立場から自民党の政策強化をはかるのがねらい。設立趣旨は「新しい自民党の構築」「戦後民主主義の再構築」「政策を通じて有権者との『信頼』の構築」「政策力の強化、向上」に資する活動をうたっています。

 構想によれば「二十一世紀の政党…自民党の進むべき方向」「保守政党とは」「『小さな政府』を経済政策、社会保障などの視点からも考察」「保守政党とは 国際比較も含めて」などが当初の政策研究テーマとして検討されています。

 資金計画案によると、運営資金は自民党からの寄付・研究委託費と、財界・企業から募る寄付・研究受託費、賛助会費収入の二本立て。二〇〇六年度は財界・企業から寄付、会費、パーティー券で合計七千万円となっています。自民党からの拠出金は年々減額し、拠出がゼロとなる〇九年度には財界・企業から二億七千万円を見込んでいます。シンクタンクの全収入の六割を財界・企業に依存する計画です。

 シンクタンク所長には香西泰・前内閣府経済社会総合研究所長、北岡伸一国連次席大使、水口弘一中小企業金融公庫総裁(元経済同友会専務理事)、丹羽宇一郎伊藤忠会長、池田守男資生堂会長(前経済同友会政治問題委員長)などの財界系人脈を中心に候補者がリストアップされています。

 シンクタンクづくりを通じて自民党はカネ、ヒト、モノで財界・大企業との癒着を一段と深めることになります。


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