2005年10月22日(土)「しんぶん赤旗」
米軍 タリバン兵遺体焼却
“イスラム教徒冒とく”
■豪テレビが放映
【ワシントン=山崎伸治】アフガニスタン駐留米軍がタリバン兵の死体を焼却している様子をオーストラリアのテレビが放映し、イスラム教徒を冒とくするとして大きな問題となっています。米テレビは二十日、一斉にこの映像を放映し、現場にいたカメラマンのインタビューを紹介。米政府も対応に乗り出しました。
問題の映像は、米陸軍第一七三空挺(くうてい)旅団に同行するフリーランスのジャーナリスト、スティーブン・デュポン氏が撮影したもの。オーストラリアのSBSテレビが十九日に放映しました。米兵が火をつけた死体が燃える様子をとらえています。
イスラム教の国では、アラー(神)による「最後の審判」で死者がよみがえると考えられているため、火葬をしないのが一般的です。
アフガニスタンを担当する米中央軍司令部は二十日、「いかなる状況下であっても、米中央軍は敵の戦闘員に対する冒とくや虐待、不適切な扱いを容認しない」との声明を発表。アフガニスタン駐留部隊も「徹底的に調査する」としています。
米国務省のマコーマック報道官は二十日の定例会見で、「非常に深刻な話であり、事実だとすれば非常にやっかいだ」と困惑。「一部の兵士の行動によって、米軍の活動や米軍が示す価値をあいまいなものにしてはならない」「(問題の)ビデオで目撃したものは米軍や米国の価値をまったく反映していない」と強調しました。