2005年10月20日(木)「しんぶん赤旗」
障害者「自立支援」法案
2週間毎日 国会要請
子どもの笑顔奪わないで
障害者「自立支援」法案の衆院審議が始まるなか、障害者らは、応益負担導入の再検討などを掲げて「二週間行動」と銘打った全衆院議員への緊急要請を行っています。十九日、要請に参加した障害者の親は「自立に向かい頑張ることで取り戻した子どもの笑顔が、法案で奪われるかもしれない」と話しました。(藤川良太)
この取り組みを行っているのは、「このままの障害者自立支援法案では納得できません! 当事者・地方の声を国会にとどけよう! 2週間行動ネットワーク」。全国レベルでは同法に賛成している障害者団体の地方組織の会長などを含む八人(別表)が、「個人」として呼びかけたものです。十八日から二週間、毎日、全衆院議員に要請する予定です。
十九日朝、衆院第二議員会館第一会議室には百六十人の障害者や家族、施設関係者が集まりました。
東京・東久留米市の障害者施設「のぞみの家」からは、施設長と障害者の母親七人が参加。衆院第二議員会館の三階を一部屋一部屋回り、「息子は、耳も聞こえず、言葉もしゃべれません。でも、人に支えてもらって普通に暮らしている。それを崩さないでほしい」などと訴えました。
この母親によると、息子は昨年から、寮(グループホーム)に入居。日中は、のぞみの家に通い作業をしています。家にいたときはイライラすることが多く、よく親子げんかをしていましたが、入居とともに表情が明るくなり、「今は生活を楽しんでいる。おとなになった」といいます。
しかし、「自立支援」法案の応益負担導入で、のぞみの家に通う場合、利用料と食費合わせて三万円の負担になる可能性が。母親は「親なきあとの子どもの将来を考えると、寮か施設どちらかをあきらめないといけなくなる」と訴えます。
のぞみの家は、障害者の親たちが、これまで、子どもの成長に合わせ、作業所、グループホームをつくってきました。一緒に回った母親(67)は「私たちが積み上げてきたものが、壊されていく感じがする」と話しました。
同日、江東区の中途障害者施設「すこやか作業所」の障害者や大島房徳所長は、日本共産党の佐々木憲昭衆院議員の部屋を訪問。「脳卒中や事故で誰でも障害者になる可能性がある。そのときにこの法案では、自立につながらない」という大島所長に、佐々木議員は「皆さんの声を代弁して頑張っていきたい」と激励しました。