2005年10月19日(水)「しんぶん赤旗」
イラク憲法国民投票再調査
選管発表に遅れも
【カイロ=小泉大介】十五日に実施されたイラク憲法草案国民投票の開票に関し同国の選挙管理委員会は十七日、各州の途中開票報告が「国際標準に照らして偏ったものとなっており、再調査、検証が必要だ」「選管は事実が確認された後で初めて結果を発表する」との声明を出しました。これにより、二十日に見込まれていた投票結果発表が、来週に持ち越される可能性も出てきました。
現地からの報道によれば、憲法草案に賛成のイスラム教シーア派が多数の九州と、クルド人が多数の三州では、賛成票がいずれも90%を超え、97%、98%のところもあります。憲法草案に反対するイスラム教スンニ派が多数の地域では、ほぼ宗派、民族構成に比例した票の出方となっています。選管幹部は外国通信社に対し、ほとんどの州で賛成が「異常に高い」と疑念を表明しました。
スンニ派の憲法起草委員を務めたムトラク氏は、ディヤラ州のバクバではスンニ派地域の投票所でイラク兵が投票箱を強奪した例が出ていると主張。イラク軍による大がかりな不正が行われたとしています。