2005年10月18日(火)「しんぶん赤旗」
名護市長が出馬断念
沖縄・米軍新基地の推進派
沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる新基地建設が狙われる名護市の岸本建男市長が十七日、次期市長選(来年一月二十二日投票)への「出馬を断念する」との考えを表明しました。
市長は「名護市長選挙不出馬について」と題するコメントを発表。この中で出馬断念の理由について「体調の不安」「健康上の理由」と説明しました。
市長は一九九九年、普天間基地代替の新基地を名護市辺野古沖に建設する日米両政府の計画を受け入れ。現在、在日米軍再編の日米協議で浮上している米海兵隊キャンプ・シュワブ(名護市)沖の浅瀬に建設する案についても容認の態度を示していました。
岸本氏は、出馬断念の表明にあたって新基地建設問題についての態度は説明していません。しかし、後継の候補者を決めることもできないままの一方的な表明は、日米両政府と岸本市長の「基地たらい回し」路線の行き詰まりぶりを示すものです。
市長は発表に先立ち、市議会の与党会派を集めた会合で出馬断念の考えを説明。参加者によると、一部の市議が突然の表明に市長を引きとめる姿もあったといいます。その後、与党会派は後継候補者の選考を始めましたが、まとまりませんでした。参加者の一人は「今日は出馬表明かと思っていた」と驚きを隠しませんでした。